Windows にて、Qt & VC++ 環境を作ろうして、2通りの方法を考えました…
- Qt SDK (Qt Creator + MinGW) に、VC++ ビルド環境を加える。
- Visual Studio 2008 – Qt 開発環境(Qt Framework + Visual Studio Plugin)に、Qt Creator 環境を加える。
Qt Creator (Qtより提供される統合環境)を使ってみたい… ということで Qt SDK をインストール> (1) のアプローチを試みる。
ですが… Qt SDK は、デフォルトのコンパイラに MinGWが使われており、VC++用のライブラリ(バイナリ)が含まれていない点が厄介。
VC++用のライブラリを作成するには、VC++で Qt ソースをビルドしなければならないので、(1)のアプローチをするにしても、(2) と同様な環境が必要になります。
そこで、(2)のアプローチ>1つ前の記事 「Qt 4.6 インストール – 統合環境に VS2008 を使う」 で作成した環境に、後から Qt Creator を加えることにしました。
ダウンロード
Qt Downloadサイトより「Qt Creator 1.3.0 ソースパッケージのダウンロード (12 Mb)」をダウンロードする。
インストール
コマンドプロンプト(DOS窓)でQtプログラムをビルドできる環境を用意する。(Qt Framework をインストールすることで作成される 「Qt 4.6.0 Command Prompt」を起動するのが簡単)
- ダウンロードしたファイル(qt-creator-1.3.0-src.zip)を解凍する。
例: C:\Qt\qt-creator-1.3.0 - コマンドプロンプト(DOS窓)にて…
>解凍した場所(qtcreator.proが保存されている場所)へ移動
>qmake qtcreator.pro
>nmake releaseビルドは、環境にもよると思いますが、1時間以上かかります…
- ビルドが終わると、/bin/qtcreator.exe および、実行に必要なファイルが生成される
起動
Qt Creator (qtcreator.exe) は、Qt アプリケーションなので、実行には、QtCore4.dll QtGui4.dll など、ランタイムが必要> 既にインストールされている Framework (C:\Qt\4.6.0\bin) へ PATH を通すことで解決する。
※なお、Qt Creator は、一度起動に成功すると環境設定ファイル(保存場所はここ)を生成>次回の起動からは、PATHが設定されていなくても起動する。(言い換えれば、Qt ランタイムの保存先を変更する場合など、参照先が古いままになる可能性がある)
環境設定
ツール(T)> オプション(O)> オプションダイアログを表示,
Qt4 – Qt Versions にて、Qt のバージョンと、VC++コンパイラのバージョンが正しく認識されていればOK!
デバッグヘルパが「×」となっている場合は、[リビルド]ボタンを押す。
参照> jom.exe が見つからない?
こちらの記事が大変参考になりました… ありがとうございます。
>http://www.off-soft.net/ja/develop/qt/qt11.html
Qt アプリケーション作成
Qt Creatorにて、プロジェクトを作成>ビルド>実行!成功!
Qt Creatorは、Visual Studio用のソリューション(.sln) / プロジェクト(.proj) ファイルを作成しませんが、Visual Studio に、Qt4 Plugin がインストールされていれば、追加される 「Qt」 メニュー>より、Qtプロジェクトファイル(.pro) を開くことが出きます。 Visual Studioにて保存すればソリューション(.sln) / プロジェクト(.proj) が作成されます。
こうして… 無事に、MinGWを使わず、同じプロジェクトを、Qt Creator / Visual Studio どちらでも開ける環境が整いました。 それぞれの良いところ取りが出来そうです… (拍手!)