次世代 IntelliCAD の登場です。
https://www.intelli.jp/node/104
ここから、新たな歴史が始まる… これはスタート地点。
このリリースにおける最初の目標は「従来のIntelliCADと同等に動作する事」でした… この単純にして、当たり前とも言える目標がクリアできず… とても長い時間を費やしました。
- コマンドが従来と同じ動作にならない…
- パフォーマンス(画面描画性能)がでない…
書き直さないほうが良いのか?挫折の繰り返し… 私としては、とても感慨深い。
ようやくここまで辿り着けた…
皆様には「何が変わったの?」と思われるのかもしれません… 他の競合製品と比べると、見劣りしてしまうのも事実です。 コンソーシアム(非営利な共同体)によって、なかば、研究目的として共同開発が行われているという 特殊性 を考えますと、自分達の手で完全に作り変えられたソースコードが、「以前のIntelliCADと同等に動作する」 事に、とても大きな意味があると思っています。
過去の遺物に別れを告げ、ここから新たな歴史が始まるといって良いでしょう…
コンソーシアム設立時に、Visio(現 Microsoft)社より引き継いだソースコードは、「こっち直すと、あっちに飛び火…」と、なんともメンテナンスが困難な状態でした。
書き直そう!という声は、コンソーシアム設立当初からあり、それを単独企業で行い、IntelliCAD から離れていったのが、BricsCAD、ZwCAD、GStarCADなど…
そのような経緯から、メンバー企業間の対立もあり、何度か、コンソーシアム存続の危機もありましたが、「オープンな共同体!IntelliCADプロジェクトを無くしてはいけない!」という熱意を持った人達の尽力によって支えられてきました。
現時点では、コンソーシアム本部には、まだ、沢山の不具合レポートが積まれています。 開発者達は、誰も満足をしていないのですが… 「一定の基準には達している」 と判断。そして、本日、インテリジャパンは、「IJCAD 8」としてリリースする事ができました。
ソースを全て書き直したことによる最大の効能は、メンテナンスがとても容易になったこと… リリースに向け、この数ヶ月は毎月100件以上の不具合修正をこなしています。
コンソーシアムに適切な不具合をレポートすれば、その事象に対応できる最適なプログラマがアサインされます… 海外には, 若くて頭の良いプログラマが沢山居ます。 私の、これまでの活動において、この仕組みを作ることが出来た事が一番の成果だと思っています。
「現象を再現できれば、確実に直る…」
優先順序は、メンバーの総意で決められるため、私達の意向が必ずしも最優先で対応されるとは言えませんが、この 「確実に直る」という 安心感は大きい…
加えて、コンソーシアムでは、過去の反省から「ソースコードの分岐を許さない」規則を、この次世代IntelliCADより 適用します。この規則制定においても、コンソーシアムは、多大な労力を費やしました。
期待できる効果として、メンバー企業が作成する IntelliCADベースのプロダクトの基本性能 / 品質レベルが均一化されます。今後は、メンバー企業による運用サポート、特殊用途向けのカスタマイズプログラムなどが重要視されるようになると思います。
永きにわたり、この次世代IntelliCAD への道筋を作ることを任として活動してまいりましたが、このリリースをもって1つの役目を終えることが出来たと感じています… この次世代 IntelliCAD が、3年後、5年後… どのようになっているのか? とても楽しみです。